2009年8月17日月曜日

浜木綿(はまゆう) (ヒガンバナ科)

 8月の浜辺には、海浜植物が元気に咲いているが、‘はまゆう’の花は圧巻です。二度ほど見たことがある。
 初めて見たのは日南海岸だった。15年前に、宮崎で親戚の結婚式があり見る事が出来た。1mもの草丈、つやつやの葉、両手に溢れるほどの花。その前夜見た大淀川辺りの花火のように、白く細い花弁が華やかだった。太平洋からの風と、灼熱の太陽が降り注ぐ中で咲いていた。‘はまゆう’は、宮崎県の県花である。
 結婚式で、黒留袖を着るかどうか悩んだけれど、暑い時なので洋服にしたっけ。
黒留袖は、既婚女性を見違えるほど立派に見せてくれる‘一の衣装’だと思う。
 二度目に見たのは、足摺岬の突端の旅館に泊まった朝、散歩して崖の方へ下って行くと、あちらこちらに咲いていた。
8月の高知は暑かった。‘歩き遍路’の人々を追い抜いて、排気ガスを撒きながら走るツアーバスの中で、身の縮む思いをしたっけ。
 江尻光一さんの本を読んでいて、種子が面白かった。「花が終わると、緑色の球形の実が出来、やがて淡褐色になり、砂浜に落ちて波にさらわれて行く。黒潮に乗って、南から北へ旅をして海岸に打ち寄せられて、根付く。関東から北へは海流が違ってくるし、冬の気温が低いので自生しない。」 
 名も知らぬ遠き島より、流れ着いたという‘椰子の実’を思った。

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