2009年10月16日金曜日

牡蠣筏

 牡蠣筏は、竹を格子状に編んで作られていて、瀬戸内海のあちこちに浮かんでいる。昔の‘浮き’はドラム缶だったけれど、今は発砲スチロール製と聞いた。その下に、‘種牡蠣’をつけたホタテ貝の貝殻が針金に結ばれて、沢山ぶら下がり養殖している。筏は潮に流されないように、太いワイヤーロープで繋がれている。
 走る列車の窓から海を撮った。3年前、初めて小さなデジカメを持った時に、「走っている時には、レンズを窓に押し当てて撮る。」と教わった。
 結婚する前、夏には会社帰りに友達と、週2~3回は泳ぎに行った。会社の前からバスに乗ったまま、町中を通り過ぎて海岸まで行く。‘会社の海の家’に荷物を置いて、沖の‘牡蠣筏’まで競争する。筏の上で一休みして、次ぎの筏へと泳いだ。
どこまでも泳いで行けそうだったあの頃。夕陽は小さな波を金色に輝かせながら沈んで行く。暗くなる前に家に帰らなければいけないから、井戸水で塩を流して、大急ぎでバスで家路につく。
 あの頃は、皆と他愛のない事で、よく笑い転げていた。「箸が転げても可笑しい年頃じゃねえ!」 と笑われていた。

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