2010年4月30日金曜日

地中海松 (マツ科)

 医学博士 星野十著 「薬離栄養学」 を読んでいると、天然の薬草や食物で、病気にならない身体作りをする事を説いておられる。 様々な化学物質や薬で、身体が蝕まれている現状に慄然とする。
食事・生活をどう改善していけば良いんだろう。
心の病も、食べものが大いに関係していると言われるのも頷ける。
 ‘血管の掃除人’ と呼ばれる‘オリゴメリック・プロシアニジン’が多く含まれているのは、‘地中海松(白松)の皮’というデータがある。日本では、黒松・赤松の実を食べたり、葉を粉末にして飲む。モンゴル人の記者が、「子供の頃から、よく松の皮の内側を齧っていた。日本へ来てから、近頃は食べなくなって調子が悪い!」 と星野先生に話している。  興味深い話だなあ!と思った。
 イタリア旅行をした折り、カプリ島で遊び、ナポリからバスでローマへ移動している時の夕陽の丘に ‘ローマの松’が浮かんできた風景を、懐かしく思い出した。
 古代ローマの頃 「全ての道はローマに通ず」と言われた石を敷いた街道沿いには、地中海松が植えられている。古代ローマの兵士たちは、戦いの長い遠征から帰り、この松並木を見て 「やっと家族の元に帰ってきた!」 と喜んだことだろう。コロッセオ周辺やあちこちに聳える、堂々たる松が印象的だった。
 その頃の人々は、経験から ‘松の摂取で元気’ になっていたのではないだろうか? と星野先生は仰っている。

2010年4月26日月曜日

餡パンの臍

八重桜のぼってりと咲いているのを見上げていたら、‘桜の花の塩漬け’が残っていたのを思い出した。
桜ご飯・桜茶・桜寒天・お吸い物に使ったのに、最近は、すっかり忘れていた。
「そうだ!‘餡パンの臍’を飾ろう!」 とパンを焼いた。

焼き上がった時に、あちこち℡したけれど誰もいなかったので、立て続けに2個食べた。 もう葉桜になり始めた、生暖かい昼下がりは物憂い気分になる。

     餡パンの臍に胡麻あり花の昼    つるばみ

2010年4月24日土曜日

歯科ドック

 市の検診の中に‘歯科ドック’があるので受けてみた。
固いガムを3分間噛んで、唾液を10ccの器にとる。必死に噛んで唾を貯め「顎が疲れました!」と言ったら衛生士さんに笑われた。5cc採れたのは普通らしい。
唾液のph・口臭の強弱・血液反応・軟組織に癌がないか・6ヶ所の唾液腺の出具合などを調べて頂いた。「虫歯の出来にくい口腔内です。左の耳下腺からの唾液が出にくいので、レモン液などを垂らして、唾液腺を刺激しましょう!」」と言われた。「これからも、26本を大切に!」とも。
28本中2本抜いている。30歳頃に、親知らずを抜く時に、手前の奥歯を便宜上抜かれた。もう1本は、梅干の種を割ろうとして、奥歯が二つに割れて抜いた。
2本とも惜しい事をしたなア!と残念です。

2010年4月20日火曜日

柿の葉


 三月からずっと気温が乱高下して、作物が面食らっている。梅の結実したばかりの小さい実が凍結して落ちたり、柿の花芽が枯れてしまったり、稔りの頃はどうなるんだろう?

昨秋、美味しい柿の実を頂いた折に、紅葉した葉が数葉添えられてあったので押し葉にした。栞にしたら壊れそうなので額に入れた。台紙は‘黄八丈のハンカチ’にした。良く似合うなあ!と自分で言いながら廊下に飾った。

 黄八丈の黄色は刈安(コブナグサ)・鳶色はタブの木の皮・黒は橡(つるばみ)で染めて、鉄分を含んだ泥で洗う。面倒な行程を経て、格子柄に織られている。「八丈島のお土産は‘着物’にしようかと思ったけれど‘ハンカチ’にしました」と 笑いながら下さった。

2010年4月18日日曜日

四月の雪

 4月17日の朝、カーテンを開けると 、家々の屋根が真っ白で驚いた。気象の時間に「41年ぶりの4月の雪です」と言っている。「そうだ!あの頃の事だ!」とアルバムを引っ張り出した。息子は3歳で、近所の友達と雪だるまを作って、皆で遊んだ。陽射しが強く寒くなかったけれど、手が冷たいと泣いたっけ!
めったに雪が降らないので、母親達も興奮して総出で雪かきをしたり、おしゃべりした。
こんなに雪が降って、東武線は止まったのだろうか?
何も覚えていない。
天気予報で記憶の糸を手繰り寄せた。アルバムの書き込みを読んだら、この写真の大雪は、3月12日だった。
昭和44年は、雪の多い年だったのだろう。
 「…雪月花の時 最も君(段協律)を憶ふ」 白居易  
 雪が溶けないうちに、桜の花を見ようと出かけた。

2010年4月13日火曜日

チューリップ (ユリ科チューリップ属)

 昨日は、一日中冷たい雨が降っていた。買い物に行く途中に中庭花壇を見ると、チューリップの花は、しっかり閉じて三角に尖って立っていた。一滴の雨水も花芯に入れないワ!というように。
 去年は、中学1年生になる女子3人に摘んでもらった。今年は、小学1年生に摘んでもらった。そして昨年亡くなられた3名の方の御仏前に供えてもらった。
 チューリップの原産地は中近東のステップ地帯。
アフガニスタンの国花がチュ-リップだなんて驚いた。
映像で眼にするのは戦闘のことばかり!映らない場所で野生のチュ-リップが一面に咲いて、揺れているのなら嬉しいのだけれど。
 アンデルセン童話の小さな‘おやゆび姫’は、チューリップの花から生まれて、ヒキガエルやコガネムシやモグラから遁れて、ツバメの背中に乗って、暖かい幸せの国へ飛び立った。子供の頃から大好きな物語です。
 今年も植えただけ、確実に咲き揃ったことが嬉しい。

   チューリップしとどな雨に固く閉づ   つるばみ

2010年4月11日日曜日

夏橙(夏みかん) (ミカン科)

 
子供の頃食べた夏みかんは、身震いするほど酸っぱかった。重曹をつけてジュワジュワとするのを食べていた。
今はもう酸っぱくない。朝食後には爽快感がある。一個を二人で半分づつ食べた。沢山の皮が残ったので‘マーマレード’を作った。     江戸時代に山口県の青海島に漂着した‘種’を植えたといわれる古木が残っているそうだが、以前、萩市を訪ねた折りに、周辺のガードレールが橙色に塗られていたのを、楽しく思い出した。
 夏みかん一個から、カップ二杯のマーマレードが出来上がった。実は食べてしまったので、オレンジジュースで煮たら色よく仕上がりました。ジャムを固める成分のペクチン液は、小鍋で種を煮出して作ったので、買いに走らなくて良かった。
クラッカーにクリームチーズをのせ、マーマレードをのせると美味しい!

2010年4月8日木曜日

ローズソルト(天然紅色岩塩)


 友人と出かけた時 「お昼は何にする?」とくると、いつも相手の希望に任せる。‘私的には’という言葉があるのならば、「蕎麦又は、うどんで好い!」
今日の相手は、セレブな一人暮らしの彼女なので‘鉄板焼きにしましょう!’と 決まった。
 鉄板焼きの場合、鉄板の前に立つのは、何故かシャキッとした美男子で、調理の手捌きも美しい。廣島風お好み焼の場合は往々にして、汚い前掛けのオジサンだなあ!と思いながら見ていると、福島産黒毛和牛に‘美しいピンクの細かい塩’を 鮮やかな手付きで振った。    
 数億年前の地殻変動が、古代海水を囲い込み、マグマの熱が水分を飛ばして出来た紅い岩塩です。
 昼から女性だけで、贅沢なものを食べたお詫びに、お土産は‘ローズソルト’です。

    花吹雪ビルに当たりて昇りけり    つるばみ

2010年4月4日日曜日

カタクリ (ユリ科カタクリ属)

 駅の改札近くには、いろんな物産を売る台が出る。珍しい物に出会う事があるので、暇な時は覗く。
その日は午後12時半までに、汐留のビルへ行かねばならないので、急いでいたけれど、ちょっと覗いた。なんと‘カタクリの花束’があった。「何時まで店を開いているのかしら?」と確かめておいて、夕方、家に帰る時に、まだ残っていたのを求めた。
お浸しにするのは初めてです。
早春に俯いて咲く薄紫のカタクリの花が、群生している様は魅力的です。人里離れた山間に、見学ツアーが出るくらいの人気がある。 駅頭で、こんな形で出会うなんて!
 「もののふの八十乙女らが汲みまごふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花」 大伴家持     万葉集の中で‘カタクリの花’を詠んだ歌は、この一首だけである。
その頃も、恥らう乙女のようだと譬えられたのねえ…。