2013年3月9日土曜日

賣茶翁

机の上に菓子折りが置いてあり、懐かしい包み紙だなあ!と見ていて、思い出した。
仙台の賣茶翁のだった!
「仙台へ行ったの?」「うん!打ち合わせがあってね!」
30年前、夫の転勤で仙台に5年間住んだ。
子供達が中高生で、難しい年頃だった。
PTAの集まりで住所を告げると「賣茶翁の近くね!」と教えられた。
ビルばかりの中に、こぢんまりした和風の家で、敷石伝いに、よく人が出入りしていたから「何だろう?」と思っていた。
季節毎の練り切りの美しさと、深く重い美味しさを思い出す。買って帰る際、必ず「お平らに!」と、背中に声を掛けられたっけ。電話は非公開です。
お値段が高くて勿体無いけれど、中高生を宥めるように、時々食べさせた。
覚えていてくれたのだろうか。みやげは日持ちするように、汁粉とせんべいだった。
薄い皮の中の練り物は口に溶けた。

賣茶翁(1675~1763)という僧が実在し、煎茶を広め、売っていたということを、この度知りました。親交のあった伊藤若冲が、描いた肖像画が残っている。でも、包み紙の老人は芭蕉翁に見えるなあ。

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