2011年9月12日月曜日

歌劇 カルメン (ジョルジュ・ビゼー)

 ご近所のAさんは80歳を超えられたので、「もう遠くへは行かないけれど、リリアで‘バーデン市劇場公演のカルメンは如何ですか?」と誘って下さった。
60年間もオペラ一筋に見続けてこられたので、お話を伺うだけでも有難い。2009年2月に‘椿姫’にご一緒したのも印象的だった。
リリアを皮切りに、これから全国20ヶ所を回るそうです。
入り口でパンフレットを貰うと、楽譜が殆どで、左側に物語を追っている。オーケストラボックスの上にハープが少し見えた。「二期会の方々が見えてるわよ!」と袖を引いて言われた。
 午後4時に耳馴染みの前奏曲が始まり、たばこ工場の前の場面から始まる。カルメンのメゾソプラノの迫力と魅力的な身体!「束縛されるのは嫌!私は自由よ!」と歌う。「やはり外国の方の表現は素晴らしいわあ!」とAさんが言われた。簡易だけれど書き割りが迫力がある。「ドンホセってなんて愚かなの!」とイライラしてテノールがうっとおしい。もうのめり込んでいる証拠だなあ!と、そっと座りなおした。
 一番心打たれたのは、ミカエラの歌った‘アリア’です。祈るようにドンホセに訴える柔らかく優しいソプラノに涙がこぼれました。
カーテンコールの際にも、彼女に一段と大きな拍手が興りました。もう一度聞きたい。
作曲家ビゼーは1838年パリで生まれ、37歳の若さで敗血症で亡くなりました。
‘カルメン’のパリ初演の3ヵ月後だったそうです。亡くなった日もオペラ劇場で、絶賛を浴びていたと伝えられているそうです。


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