2012年2月26日日曜日

遠山記念館

川越の町を過ぎて、国道254を北上し、川島町に入ると農村風景が広がります。右へ曲がり町役場を過ぎて農道を行くと‘遠山記念館’がありました。
濠を見ながら、立派な長屋門を入り、先ず2階建ての美術館で古い珍しい人形や享保雛や江戸時代の細かい雛道具を学芸員の案内で見学しました。
投扇興の集まりも開かれたりしているそうです。
屋敷は3棟あり、松の木を配した広い庭が広がる。
・茅葺屋根で欅造りの建物で農家風(63坪)
・伝統的な書院造りで10畳の部屋いっぱいにお雛さまが飾ってありました。その雛壇を贈られたお嬢さんも近年95歳で亡くなられたとか。二階は非公開だけれど学芸員が説明して下さった。洋風で米から輸入したガラスが素晴らしい!戦争中は外して仕舞ってあったそうです。(87坪)
・仏間や茶室のあるお母さんの棟は京風数奇屋造り。天井には屋久杉が張ってある。(61坪)

この建物を建てた遠山元一(1890~1972)は、川島町の豪農だった実家が没落して、小学校を出て、兜町の株屋へ丁稚奉公に出て、日興証券の創業者になった人だそうです。29歳で土地3000坪を買い戻し、この屋敷を苦労されたお母さんに、プレゼントされたそうです。
閉館の4時半に庭へ出ると、夕陽が明るく照らしていて雨戸を閉めていた。雨戸は187枚あるそうで、「職員が朝晩30分かかります。」ということだった。
昭和8年から3年掛けて、設計室岡惣七・大工棟梁中村清次郎で、全国から銘木を集めて建てられたという落ち着いた家でした。帰りながら、活躍する息子を案じながらも静かに暮らされたであろう母美以さんのことを思った。

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