2009年8月31日月曜日

枯れ蔦

 2月の末に、銀座八丁目を歩いていて、‘バーボルドー’の石造りの建物に絡まる‘枯れ蔦’ を撮影した。 昭和2年に開店して、内部も殆んど当時のままという。木の扉はがっちりとしている。
 「この蔦が緑に変わる頃に飲みに来ようね!」って約束したけれど、果たしていない。 女性同士の連れでは、入店できない。
夜になって赤いランプが灯る頃になると、一層風情がある。
日没の時間も早くなってきた。 蔦が再び‘枯れ蔦になる前’に出かけよう。

2009年8月27日木曜日

ワイヤープランツ(英名) (タデ科)

 ワイヤープランツは、若い女性に人気の観葉植物です。細く針金のように強い茎に、丸い愛らしい葉っぱが沢山茂る。虫が付きにくく育て易い。茎が八方に伸びて枝垂れる。
ニュージーランド原産で、和名は‘乙女の髪’という。
艶やかな葉がたっぷりと垂れる形状から、‘翠の黒髪’ を連想して、‘乙女の髪’と名付けたのだろうか?
 ジャスミンと寄せ植えにして、香りと緑を楽しんできたけれど、根詰まりしているらしく、葉が黄色くなってパラパラと落ちる。
‘乙女の髪’を ばっさりと切り詰めた。植え変えて再生させよう。

2009年8月24日月曜日

夏休み

 夏休みは忙しい。子供達が夏休みの頃も忙しかったが、今でも、母親達は大忙し。
あちこちのスポーツクラブで、夏休みの期間中‘無料体験コース’が開かれている。
‘ママと3歳未満の水泳教室’‘幼児バレー教室’‘3歳~6歳の体操教室’‘ママと3歳未満のヨガ教室’などと、様々なメニューが繰り広げられていて、申し込んでは参加している。
体験すると、ママと子の意見が違うのも可笑しい。
 幼児期の身体・心・頭脳の教育に全力投入の母親達には頭が下がる。頑張っていただきたい。

2009年8月19日水曜日

風船葛(ふうせんかずら) (ムクロジ科)

 ‘風船葛’の実は可愛い。淡い緑色が茶色に変わり、中に黒いハート型の種子ができるのも可愛い。
指で実を潰すと、「プフッ!プフッ!」と 音がする。この音を孫娘に聞かせたくて育てている。去年は、沢山生ったので潰し甲斐があり、毎朝小さな指で片っ端から潰した。
ペチャンコの実がぶら下がった‘風船葛’は、哀れな姿になった。
今年は、風の強い日に何度も鉢が倒れ、細かい白い花が落ちてしまったので実が少ない。
「潰して良いのよ!」と言うと、耳を近づけて潰していた。

2009年8月17日月曜日

浜木綿(はまゆう) (ヒガンバナ科)

 8月の浜辺には、海浜植物が元気に咲いているが、‘はまゆう’の花は圧巻です。二度ほど見たことがある。
 初めて見たのは日南海岸だった。15年前に、宮崎で親戚の結婚式があり見る事が出来た。1mもの草丈、つやつやの葉、両手に溢れるほどの花。その前夜見た大淀川辺りの花火のように、白く細い花弁が華やかだった。太平洋からの風と、灼熱の太陽が降り注ぐ中で咲いていた。‘はまゆう’は、宮崎県の県花である。
 結婚式で、黒留袖を着るかどうか悩んだけれど、暑い時なので洋服にしたっけ。
黒留袖は、既婚女性を見違えるほど立派に見せてくれる‘一の衣装’だと思う。
 二度目に見たのは、足摺岬の突端の旅館に泊まった朝、散歩して崖の方へ下って行くと、あちらこちらに咲いていた。
8月の高知は暑かった。‘歩き遍路’の人々を追い抜いて、排気ガスを撒きながら走るツアーバスの中で、身の縮む思いをしたっけ。
 江尻光一さんの本を読んでいて、種子が面白かった。「花が終わると、緑色の球形の実が出来、やがて淡褐色になり、砂浜に落ちて波にさらわれて行く。黒潮に乗って、南から北へ旅をして海岸に打ち寄せられて、根付く。関東から北へは海流が違ってくるし、冬の気温が低いので自生しない。」 
 名も知らぬ遠き島より、流れ着いたという‘椰子の実’を思った。

2009年8月15日土曜日

時計

 リビングの壁紙を貼り変えた時に、時計を新しくしようと思った。
出かける度に、時計屋・デパートの時計コーナー・フランフラン・ロフト・無印良品を探したが、気に入ったものが見つからない。ある日、フラッと入った店の一角にあった時計(径30cm)に、惹きつけられて決めた。
お店の主人が、「若いもんが、イタリアから直接仕入れたのですが、意外に売れて…あと数個になってしまいました!」 と言われた。
精密機械を扱う主人には、‘ガラスの盤にカヴァーは無く、針は剥き出し、秒針のない時計’は、自信を持って薦められない気持ちだろう。
 でも、ゆっくりと過ぎる時間と付き合って、永い間の習慣の奴隷になっている私に秒針は要らない。

2009年8月13日木曜日

カナダからの手紙

 カナダから‘アチナシア’の干した葉・アチナシアの飴・クランベリー・ラベンダーが届いた。
 妹は10歳年下だから、若い頃は私が自信に満ちていたが、今となっては逆転して労わられている。こんな具合に、年をとっていくと、親も段々と子供達の世話になることだろう。
 ‘クランベリー’の赤はクリスマスの赤。窓の外は真っ白い雪。暖炉の火は赤。白いクリスマスケーキを飾るクランベリー。
カナダの夏は爽やかで過しやすそうだけれど、冬も楽しそう!
ベタベタする蒸し暑い日に、微かに甘く、スーッとする‘アチナシアのお茶’を飲みながら、クランベリーの実を抓んでいると、爽やかな気分になってきた。

2009年8月10日月曜日

ゴーヤ (ウリ科) の種

 此処の所、立て続けにゴーヤを頂くので、‘ゴーヤチャンプール’が続くが、好きだから嬉しい。千葉からのも、青梅から頂いたのも立派だ。 野菜でも果物でも、包丁を入れる時の緊張感と感触は、心地良い。
 種が採れたので、来年は苗を作って、皆に上げよう!
2年前に種子を植えた時、「先を‘チョン’と切ってから、小皿の水の中で‘根’が出てきてから、根を下にして、土に植える。」 という事を知らなくて、発芽しなかった。来年こそは!と、干している。
 写真に撮る時に、浅い枡に入れた。ちょっと殺風景なので、小さな小さな枡を添えた。
大垣市では、枡の全国生産量の八割が作られている。職人さんが、本物と同じ作りで、手間ひまかけて作ったとかで、旅の途中に、大垣の工場で求めた。木曾橧の香りがする。

2009年8月9日日曜日

「おなら」の本

 近くの小学校が、生徒数減少の為に閉校になった。がらんとした学校は、不登校の生徒さんの為や図書館分室などに開放されている。今は夏休みの中高生が勉強していたりする。
図書室の児童書の中から 「おなら」 という本を見つけた。読んで上げるなら4歳~自分で読むなら小学校初級とある。身体の中がとても判りやすい。驚いたのは、おならは一日に 500ml も出るのだそうだ。知らなかった!「牛乳瓶の半分くらいのが、5本分です」なんて、どう考えれば良いのだろう!お医者さんが、手術の後に「おならは出ましたか?」と 聞いている。「我慢してはいけません!」とも 書いてあった。
 昔から「女性は、人の前で‘おなら’をしては、いけない!我慢をするか、トイレに入ってから!」 と言われて育ってきた。それは間違いだったが、こんな大量のガスをエチケットに反しないように、身体の外へ出すのは難しいと思う。
 昭和35年に発行された、大妻コタカ監修の「新時代の礼儀作法」の中を探したけれど、何処にも載っていない。あちこちと探しながら読んでいくと、礼儀作法って、今も昔も変わらないのだなあと思った。





2009年8月6日木曜日

今日唄う歌

 朝食の後片付けをしていると、テレビから「黙祷!」と聞こえてきた。水を止め手を拭いて、そのままで黙祷をした。
 「ふるさとの街焼かれ、身よりの骨埋し焼土に、今は白い花咲く、ああ!許すまじ原爆を、三度許すまじ原爆を、我らの街に。」 浅田石二作詞・木下航二作曲 を 低く唄った。
 埼玉県北にある‘丸木美術館’を、息子と尋ねたことがある。まだ独身だった彼の顎は尖っていた。その日は、台風の去った翌日で、生暖かい風が強かった。
当時、丸木美術館では、原発に反対して電気料金の一部未払いのために、自家発電をしており、部屋は暗くて「原爆の図」は、一層迫力があり身震いした。建物の横を流れる都畿川は、上流からの木や泥を巻きこみながらの濁流だった。
 昨日、仕事で会った息子が、「正月は、2日からテニアン島へ 連れて行くから!」と言った。
1945年8月6日の未明、この島から B-29爆撃機 エノラゲイ が、原子爆弾‘リトルボーイ’を搭載して、廣島へ飛び立ったのだった。

2009年8月2日日曜日

一日花(いちにちばな)


 毎朝、紫色とピンクの朝顔が咲く。行灯作りにしているので、くるり、くるりと陽の方へ向けながら、「明日はいくつ咲くかしら?」 と思う。夕方には閉じてしまう。オシロイバナ・ノカンゾウ・ヤブカンゾウ・ムクゲも‘一日花’。ハイビスカスもあれほど大きく開くのに、夕方には葉巻のようになって、ゴロンと落ちている。
 ペレニアル・フラックス(亜麻科)という‘一日花’を知った。5000年前から存在していたという。茎は亜麻糸になり、上質な織物になる。種子からは、リノール酸・オレイン酸を含む亜麻仁油がとれる。日本へは17世紀に中国から、食用油をとる為に入ってきたとか。
 大航海時代には、帆布やロープを作り、油を積みこんで、出航したのだろうと思うとワクワクする。種子を水に漬けるとゼリー状になり、美肌効果があるという。きっと、クレオパトラは、その風呂に入って陶然として、いろいろな策を練っていた事だろう。